トイレトレーニングとは

 こどもが成長すると、自律神経の働きによる受動的な反応であった排便は、自律神経のはたらきに加えて括約筋を緩めるという能動的な行動を伴い、やがて排便を意図的に制御できるようになります。トイレトレーニングは、自律神経の働きだけで排便している状態から、意図的な排便、さらに文化的社会的に容認される排便行動ができるまでの発達過程です。と同時に、子育ての中で、最初のたいせつな協働作業の過程です。トイレトレーニングが終わることは、大きな喜びをもたらすのです。
 人間社会の中で適切に排便することは、きわめてたいせつなことです。おとなは、あたりまえのようにトイレに入って用をすませていますが、その基本的な行動は、こどももおとなも同じです。①「でそう!」と思ったら、②トイレとそうでないところ、トイレに行っていいとき悪いときをみきわめて、③トイレをみつけたらトイレに入って、④脱衣して便座にすわり、⑤おなかに力を入れて排便して、⑥おしりをきれいにして、⑦手洗い、着衣などの後始末をする、といった一連の行動をすることが求められます。おとなになるまでには当たり前のようにできるようになりますが、こどもにとってはけっこうたいへんなことです。つまり、トイレへの移動や衣服の着脱、清拭、手洗いといった一連の行動は、こども自身が発達することでできるようになるのです。トイレトレーニングは、こどもの運動・認知・心理機能の発達に合わせることで無理なくトレーニングできるのです。

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